国際結婚のビザ相談事例③ 夫婦の交際期間が少ない

相談内容

私は日本人男性(39歳)、会社員です。インターネットでポーランド人女性と知りあい、1年くらいSNSでやり取りを続けてきました。先月、彼女が来日し、2週間ほど日本に滞在しました。その間、何度か直接会い、お互いに結婚の意思を確認しました。彼女がポーランドに帰国した後も、引き続きSNSで毎日会話をしています。これから国際結婚して、彼女を日本に呼び寄せたいと思っているのですが、実際に会っている日数が少ないので、彼女が日本に住むための在留資格(日本人の配偶者等ビザ)が取れるかどうか心配です。

行政書士の回答

お問い合わせ、ありがとうございます。国際結婚しても、ご夫婦が日本で暮らせなければ全く意味がないので、在留資格はとても重要ですね。現時点では、相手の方と対面で会っている日数が数日とのことですが、交際中、毎日SNSで会話されていたので、その内容次第では十分対策可能だと思われます。ただ、在留資格申請書には、相手の方と対面で会っていた日数を書く欄があります。正確には、相手の方の来日日数、あなたが相手国に行かれた日数を書く欄があります。書類上、対面で会っている日数が少ないと、どうしても厳しい審査となりますので、慎重に申請書類を準備していきましょう。

交際経緯説明書の完成度が重要になる

国際結婚した相手の外国人を日本に呼び寄せるためには、日本人の配偶者等ビザ(以下、配偶者ビザ)を取る必要があります。この配偶者ビザの申請時には、ご夫婦の交際経緯を詳しく書いた書類を提出します。

交際期間が十分にあり、ご夫婦の年齢差がない場合、この交際経緯説明は、シンプルなもので構いません。時系列で、知り合ってから国際結婚に至るまでの経緯を、分かりやすく書けば大丈夫です。分量にして1000字程度ですむこともあります。

しかし、交際期間が少ない場合、あるいは、直接会っている日数が少ない場合、相応の分量も必要になります。知り合ってから結婚に至るまでの出来事とその時々の心境の変化を時系列で整理して書く必要があります。

配偶者ビザの審査は書類審査です。原則、面接審査はありません。ですから、交際経緯説明書の完成度は非常に重要です。配偶者ビザの審査には、複数の審査官が関わります。ですから、どの審査官が読んでも、安心して許可を出せるような交際経緯説明書を作成するようにしましょう。

配偶者ビザの審査上、有利な材料がないか?

夫婦の交際期間が少なくても、他の要素で有利な点があれば、それをアピールできます。例えば、下記のようなことです。

交際の密度が高い

例えば、知り合ってから毎日会っている、同居期間があるといったことです。あるいは、毎日、数時間、オンラインで会話している等です。これらを証明できれば、交際期間が少なくても、交際の密度が高いことの根拠となります。

交際期間が少ない場合、知り合ってから結婚に至るまでの交際記録を詳細に書くことも有効です。時系列で、いつ、どこに行き、どんなことを話したのか、どんな気持ちだったのか、思い出しながら書いてみましょう。配偶者ビザの取得のためにも有利な材料になりますが、交際記録を書くのは楽しいですし、いい記念にもなります。もし、文章を書くのが苦手であれば、行政書士がインタビューしながら、一緒に作成していくことも可能です。

お互いの両親に会っている

夫婦の交際期間が短くても、双方の両親に会っていると、婚姻の信憑性が強化されます。双方の両親に対面で会うことが難しい場合、オンラインでも構いません。SNSの動画機能を活用して、画面ごしにお互いの両親に紹介しましょう。

扶養者に十分な収入がある

配偶者ビザの審査は総合判断です。つまり、いろいろな要素をもとに判断されます。当然、世帯収入も審査されます。交際期間が短くても、この世帯収入に問題がなければ、少し有利になります。マイナスポイントが1つだけの場合と2つある場合では、審査の難易度が異なります。交際期間が少ないという1点だけのマイナス要素であれば、十分な収入でカバーできるケースもあります。


この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一

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