外国人技能実習生が結婚した場合、配偶者ビザに変更できる?

外国人技能実習生は、「技能実習」という在留資格(技能実習ビザ)で日本に住んでいます。このビザの本来の目的は、当該外国人が日本で高度な技術や知識を学び、その技術等を母国に戻って活かしてもらうことです。例えば、日本の農家で、日本の農業生産技術を学び、母国の農業発展に生かしてもらうということが本来の目的です。ですから、日本人と結婚して、引き続き日本に住む場合、本来の目的が達せられないことになります。

このため、現行制度では、原則として、技能実習ビザから配偶者ビザ(他のビザも含む)への変更は認められていません。原則として、一旦帰国して、再度呼び寄せることになります。この場合、在留資格認定証明書交付申請という手続きになります。ただ、技能実習の期間が終了してからすぐにまた呼び寄せるとなると、簡単ではありません。この場合も、やはり上記の本来目的と異なるからです。

以下、ケースごとにポイントを解説します。

本来の技能実習期間を終了して、日本人と結婚する場合

本来の技能実習期間の終了を待ち、日本人と結婚する場合、一旦、帰国してから、改めて呼び寄せることとなります。この場合、在留資格認定証明書交付申請という手続きになります。ただ、技能実習の期間が終了してからすぐにまた呼び寄せるとなると、簡単ではありません。この場合も、やはり上記の本来目的と異なるからです。

また、この時の配偶者ビザの審査では、技能実習生時代の在留状況(勤務状況)も審査されます。万が一、犯歴などがあった場合、厳しく審査されます。たまにあるケースなのですが、技能実習生として来日時、万引きなどの軽犯罪、条例違反等をしていた場合、そのこともきちんと申告しておかないと、配偶者ビザは不許可になります。犯歴があったとしても、軽犯罪(1年以上の懲役以外)であれば、きちんと対策を取れば、致命的なマイナスポイントにはなりません。

技能実習生をやめて、日本人と結婚する場合

何らかの事情があり、本来の技能実習期間の途中で、実習先の会社を辞める場合、一旦、帰国してから、配偶者ビザを申請し、ビザ許可後に呼び寄せることになります。

このケースではいくつか注意が必要です。まず、可能な限り円満退社をしてください。間違っても、無断退社は避けてください。技能実習生の管理をしている監理団体(事業協同組合等)は、技能実習生の勤務状況を、ビザ審査機関である出入国在留管理局に報告する義務があります。

無断退社をしてしまうと、その後に結婚したとしても、配偶者ビザ申請にかなり不利になります。ですから、実習先の会社を辞める場合、事前に退社の意思を伝え、可能な限り円満退社をするようにしてください。

ただ、万が一、実習先がブラックな職場の場合、円満退社は難しいかもしれません。例えば、過度のサービス残業、劣悪な労働環境、耐えられないハラスメント、人権侵害などがある場合、結婚相手の日本人から、実習先や監理団体に連絡を取り、正確な状況を確認されたほうがよいでしょう。そのうえで、過度のサービス残業等が事実なのであれば、しかるべき公的機関等に相談ください。

こうした事実が認められた場合、技能実習生をやめて、その後に結婚されたとしても、配偶者ビザの審査でマイナスになることは少ないです。

なお、外国人技能実習生が妊娠している場合、すでに出産して子供がいる場合などは、一旦帰国することなく、そのままビザ変更(在留資格変更)できる可能性もあります。状況によって異なりますので、詳しい状況をお聞きしてから、その可能性があるか否かお伝えしております。

技能実習生を続けながら、日本人と結婚する場合

この場合、ビザ変更の必要はありません。実習先にそのことを伝え、引き続き実習生として働いてください。夫婦の同居が難しい場合、夫婦の実態の証拠を用意しておいたほうが、その後の配偶者ビザ申請や永住申請時に有利となります。具体的には、夫婦の写真、日本人親族と一緒に撮影した写真、SNSの履歴などですね。

技能実習期間終了後、一旦、帰国してから、配偶者ビザを取得し、改めて呼び寄せることになります。

元技能実習生の配偶者ビザ 必要書類例

技能実習ビザから配偶者ビザへの変更申請の場合、もしくは一旦帰国して再度呼び寄せる場合、提出すべき書類例は下記です。

  • 外国人のパスポート(コピー)
  • 外国人の証明写真(3ヶ月以内に撮影したもの。4×3㎝)
  • 日本人の戸籍謄本
  • 外国人の母国で発行された結婚証明書
  • 住民票(住民登録ある場合のみ。世帯全員分記載のもの。マイナンバー記載ないもの)※1
  • 直近年度 住民税の納税証明書(市役所発行)
  • 直近年度 住民税の課税証明書(市役所発行)
  • 海外での収入を証明する書類(在職証明書、納税証明書など)
  • 預金残高証明書
  • 交際経緯を説明する書類
  • 交際を裏付ける書類(二人で撮った写真、メール・LINE・スカイプ等の履歴など)
  • 実習期間を途中退職した場合 ⇒ 退職理由説明書
  • その他、状況に応じて追加書類が必要な場合あり

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